名古屋名物とは

『 君の名は 』で 彗星の日を境に突然三葉からの連絡が途絶えてしまった瀧が、彼女の住む町まで会いに行こうと決意します。同行した友人の司と奥寺先輩と一緒に、瀧が降り立ったのが、JR高山本線「飛騨古川駅」です。 聖地巡礼の玄関として外国の方が訪れる名古屋。日本列島の真ん中あたり、東京と大阪の中間に位置します。『日本書紀』にも登場する尾張氏の時代に始まり、戦国時代以降には徳川家康ゆかりの地として、関東にも関西にも属さない独特の文化を育んできました。近年は「名古屋めし」と呼ばれる、この地に特有の料理が全国的に知られるように。地元の人々に愛され、育まれてきた食文化に注目しつつ、歴史にもスポットを当ててみましょう!今回は触りだけです。

名古屋に行くなら朝が狙い目? 独自のメニュー

 東海道新幹線の名古屋駅に降り立つと、ホームにある立ち食いスタンドのきしめん店からだし汁のおいしそうな匂いが漂ってきて、思わず吸い寄せられそうに。実は、名古屋のきしめんは中央線のコンコースの立ち食いそば屋さんが一番おいしいと私は思っています。しかしここは我慢して、名古屋圏ならではの喫茶店文化を体験してみましょう。市内には4000軒もの喫茶店があるといわれ、その歴史は江戸時代からこの地で盛んだった茶の湯文化に端を発するともいわれています。また、近隣の一宮市が繊維業が盛んだった昭和の時代、応接室代わりに喫茶店で商談をしていたということで喫茶店密度が名古屋より高いです。

 名古屋の喫茶店の特徴といえば、モーニング・サービスの多彩なメニュー。初めて名古屋を訪れ、朝の時間帯にドリンクを注文したら、ゆで卵やトースト、さらにデザートまで付いてきて驚いた方もいらっしゃるかもしれません。このモーニングも一宮市が発祥の地です。モーニングは2種類あり、 ーニングサービス とモーニングセットがあります。モーニングサービスは飲み物にトースト・卵等が無料でついてきます。モーニングセットは飲み物に代金をプラスα―すると、トースト・卵・サラダ・デザート等が付きます。大体+150円といったところでしょうか?岐阜県では味噌汁も付きます。

小倉トースト」は、名古屋独特のメニュー。トーストに小倉あんをお好みでトッピングします。

 お店によってメニューにもさまざまな工夫がなされ、お好みで選ぶことも可能。朝から家族で喫茶店に向かう光景も珍しくないほど定着している当地の喫茶店文化を、ぜひ体験してみてください。

天守に金鯱が輝く名古屋城へ

 朝食でおなかを満たした後は、まず「名古屋城」へ。家康が天下統一への最後の布石として築いた名古屋城は、大阪城、熊本城とともに日本三名城にも数えられています。

第二次世界大戦の空襲で焼失した後、鉄筋コンクリートで復元された天守閣は、天守の金鯱(きんしゃち/きんのしゃちほこ)とともに名古屋人の誇りです。

 残念ながら、現在は木造復元化の工事のため天守閣の中に入ることはできませんが、隣接する国宝の本丸御殿が2018年に完成。残された史料を元に絵画から飾り金具に至るまで忠実に復元された内部を見学できます。

本丸御殿内部の金の屏風やふすまをはじめ、尾張徳川家の栄華を伝える装飾に思わずため息が出るほどです。

尾張徳川家の歴史を今に伝える大名庭園

 続いて「徳川園」「徳川美術館」を訪ねてみましょう。尾張徳川家により1695年に造営された徳川園は、木曽山脈や木曽三川、伊勢湾、濃尾平野の自然景観を見立てた見事な大名庭園です。

 茶の湯文化とともに庭園文化が古くから根づいた名古屋らしいスポットであり、緑あふれる園内をぐるっと散策するだけで心癒やされます。

 また、隣接する徳川美術館には、合戦図の屏風絵や鎧兜などが所狭しと展示されており、こちらも必見です。

日本初の女優が電力王と暮らした邸宅とは?

 さて、そうした歴史散策の途中で、ひときわ目立つオレンジ色の屋根が華やかな建物を発見。日本初の女優とうたわれた川上貞奴(かわかみ さだやっこ)と、福澤諭吉の娘婿で電力王と呼ばれた福澤桃介が後半生の一時期を共に過ごしたこの洋館は、移築・復元後「文化のみち二葉館」として公開されています。

「文化のみち二葉館」の写真

川上貞奴が女優引退後、福澤桃介と暮らした洋館。館内では当時の生活の様子が分かるように文化財などが展示されています。

 名古屋城から徳川園にかけての一帯は「文化のみち」と名付けられ、瓦屋根が珍しいカトリック教会や名士の邸宅などが今も点在しており、散策するのが楽しいエリアです。タイムスリップした気分で名古屋の文化と歴史を感じてみましょう。

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