不動産購入時にかかる諸費用はいくら?

土地を買って家を建てたり、一戸建てやマンションを購入したり…
不動産の購入は、人生で一番大きな買い物といってもよいでしょう。

不動産の購入には、大きく分けて「物件価格」と「諸費用」の2つがかかってきます。不動産の物件価格は表示されていますが、意外とやっかいなのが諸費用。「登記費用」や「住宅ローン手数料」など言葉も分かりにくく、シミュレーションをしてみないと必要な金額が分からず、気がついたら「そんなにまとまったお金用意していない!」ということも。不動産購入時にかかる諸費用を分かりやすく解説します。どれくらいの予算が必要なのか目安をたてられるようになりますよ。

不動産購入時の費用の考え方

不動産購入時には「物件価格」と「諸費用」が必要です。物件価格とは、建物のみ購入する場合はその建物の金額、土地も購入する場合は土地代も含みます。住宅ローンを組んで毎月返済していくのが一般的です。

物件価格=建物代(+土地代)

諸費用とは、その他不動産購入にかかる税金、手数料、保険料、引っ越し代などの総称です。諸費用は住宅ローンに組み込まず、基本的には一括(現金の場合もあり)で支払います。ローンの種類によっては諸費用も住宅ローンに組み込むことが可能な場合があります。そのため、不動産購入時には頭金の他に、最低でも諸費用分のまとまったお金は用意しておくと安心です。

不動産購入時の費用=物件価格+諸費用

諸費用の項目は様々で、不動産の種別、ローンを組むかどうかによって変わってきます。例えば、仲介手数料は新築マンションならかかりませんが、中古マンションにはかかります。費用は中古住宅の方が高くなるのが一般的です。

諸費用は

  • 注文住宅・新築マンション=物件金額の3~7%
  • 新築分譲戸建・中古住宅=物件金額の6~10%

が相場と言われています。

不動産購入時の諸費用とは

つぎに、不動産購入時の諸費用を項目ごとに見ていきましょう。

【売買契約時の諸費用】

仲介手数料

物件を探したり、住宅ローンの代行をしたり、契約関連の手続きに対する手数料を仲介会社に支払います。売買契約前に費用が発生することはなく、売買契約時に半分、引き渡し完了時に半分を支払うことが多いです。仲介手数料は物件の金額や仲介会社によって幅がありますが、400万円以上の物件の場合、

仲介手数料 = (売買価格 × 3% + 6万円) + 消費税

と計算しておけばよいでしょう。

印紙税(売買契約書)

不動産購入時の諸費用には様々な税金が含まれています。売買契約書は課税対象の文書のため、規定金額分の印紙を貼って提出をします。印紙を購入して提出することで印紙税という税金を支払います。印紙は郵便局で購入します。購入する不動産の価格によって金額は変わり、1000万円~5000万円の場合は1万円です。

【決済・引き渡し時の諸費用】

印紙税(住宅ローン契約書)

不動産購入時には住宅ローンを組むことが一般的です。住宅ローン契約書は課税対象の文書のため、印紙を貼って提出し、税金を支払います。
借入額が1000万円~5000万円の場合は2万円の印紙が必要です。

登録免許税

登録免許税は中古住宅を購入する場合のみかかる費用で、所有権の登記を移転する際にかかる税金のことです。建物は固定資産税評価額の0.3%、土地は1.5%かかります。

司法書士への報酬

登記手続きは司法書士が行います。不動産会社から紹介される司法書士に依頼することが一般的です。報酬は様々ですが、10万円前後とみておきましょう。

固定資産税、都市計画税

固定資産税とは、所有する固定資産(住宅)に対して課せられる税金です。土地・建物をその年の1月1日時点で所有している人に対して、5月~6月頃に自治体から納税通知書が届きます。都市計画税は固定資産税とあわせて納付する税金で、都市計画法による市街化区域内にある土地・建物が対象となります。
引渡時にはその年の固定資産税、都市計画税を4月1日を起算日(愛知県の場合)として引渡時日割清算します。

不動産取得税

不動産取得税は、不動産を取得した人が都道府県に支払う税金です。
計算方法は、
不動産取得税=課税標準額 × 4%
です。
自治体から納税通知書が届き次第、コンビニや郵便局などで支払います。

融資手数料

住宅ローンを組む時に金融機関に支払う手数料です。
2万円~5万円ほどが一般的です。

住宅ローン保証料

住宅ローン保証料とは、万が一住宅ローンの返済ができなくなった時に、住宅ローンの肩代わりを保証会社にしてもらうためのお金です。支払先は銀行ではなく、保証会社です。住宅ローンの金利に乗っている場合や、保証料ゼロの金融機関もあります。住宅ローンの繰り上げ返済をすると少しずつ保証料が戻ってきますよ。

団体信用生命保険料

住宅ローンを組む時には、必ず団体信用生命保険に加入しなければなりません。いわゆる団信(だんしん)です。世帯主に万が一のことがあって住宅ローンを払えなくなったときに、残債を払わなくても済む保険です。

火災保険料

火災保険とは、火災や様々な災害から不動産を保証する保険です。住宅ローンを組む際には基本的には必須です。火災だけが補償の対象となるイメージがありますが、台風や落雷などといった自然災害、水漏れや盗難、車を当ててしまったなど様々な損害も対象となります。金額や商品によって金額は様々です。

地震保険料

火災保険は地震は対象ではありません。地震による不動産の損害は地震保険が保証してくれます。

【引っ越し時の諸費用】

不動産購入時には様々な税金・保険料などの諸費用がかかることが分かりました。実は見落としがちなのですが、引っ越しの時や、引っ越した後もかかる諸費用があるのです。

引っ越し代

大きな額だと引っ越し代ですね。移動距離、家財の量、時期によって変動します。特に3月末、年末は引っ越しのピークになるので、価格が大幅に上がります。

インテリア、家電

住宅を購入したら、インテリアや家電も新しくしたい!という方も多いでしょう。ソファーやダイニングテーブル、ライトなどを購入する資金が必要です。
見落としがちですが、カーテンは全部屋揃えると高額になり、何十万にもなるケースも。
予算にメリハリをつけて選んでいきましょう。

手土産、ご挨拶はがき代など

その他、引っ越しのご挨拶の際の手土産や、住所変更を知らせるご挨拶はがきなどの費用もかかります。

【引っ越し後の諸費用】

引っ越し後には、毎月の住宅ローン以外に支払う諸費用があります。

管理費、修繕積立費

マンションの場合は、管理費や修繕積立費が発生します。清掃や整備などマンションを管理するための管理費、定期的に行われる大規模修繕のための積立金があります。物件によって異なりますが、1万円~5万円ほどと見てよいでしょう。

駐車場代、駐輪場代

車や自転車を持っている場合は、駐車場代・駐輪場代がかかります。自治体への支払い一戸建ての場合は、引っ越すと町内会への加入を薦められることが多いです。定期的に徴収があり、ゴミ捨て場の管理、清掃、パトロール、町内会イベントに使用されます。

諸費用を節約するには

不動産購入時の諸費用は高額です。必要経費とはいえ、少しでも節約したいですよね。次は、諸費用の節約方法をご紹介します。

①火災保険は最低限に見直す

住宅ローンを組む際に火災保険は加入しなくてはなりませんが、保証内容を見直すことで節約ができます。最低限の保証内容にすれば、保険料を節約できるので、本当に必要な保証はどれか見極めるとよいでしょう。

②引っ越し時期を繁忙期からずらす

引っ越し代は時期によってびっくりするほど変わります。時期によっては100万円を超えたというケースも。通常期(5~2月)の引越し料金は、4人家族で都道府県内移動(~50km未満)の場合、平均92,915円です。一方、繁忙期(3~4月)の引越し料金は、同条件で平均115,248円です。

引っ越し代を節約するコツは以下の通りです。

  • 繁忙期は避ける
  • 平日に引っ越す
  • 時間指定をしない
  • 不用品は減らしておく、売却する
  • 新調した家具・家電は直接引越し先に送る
  • 引っ越し会社に相見積りをとる

③家具、家電の購入ルートを厳選する

家具、家電は揃えるとかなり高額になります。おすすめは、購入ルートを幅広く見て厳選することです。

例えば、楽天やAmazonなどのネットショッピングで購入することで、ポイントを貯められて他の家具家電の購入にあてることができます。また、メルカリやジモティーなどのフリマサイトを使えば、格安で出品されていることも。特に3月など引っ越しが多い時期には、ソファーやベッドなどの大型家具、洗濯機や冷蔵庫も格安で出品されるので、中古でも気にならないという方はチェックしてみましょう。

まとめ

不動産購入時の諸費用は、物件価格の3~10%とかなり高額です。
住宅ローンを組める不動産の費用と異なり、まとまった現金を支払わなければいけないので、あらかじめ用意しておく必要があります。諸費用の項目は細かく、内訳全てを理解しておく必要はありませんが、いつ、どれだけ必要かが分かると安心ですね。
不動産を購入しようと思ったときには、事前に諸費用を計算し、予算をとっておくことをおすすめします。

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